「ロイヤルチェンバーオーケストラ特別演奏会」
〜本田美奈子.追悼 白血病撲滅チャリティ LIVE FOR LIFE〜
2006年3月6日（月） 18：30開場 19：00開演
場所：紀尾井ホール
曲目：モーツァルト：「魔笛」序曲
プッチーニ：蝶々夫人より「ある晴れた日に」
アメイジング・グレイス
美輪明宏：ヨイトマケの唄
チャイコフスキー：「くるみ割り人形」組曲
マイフェアレディーのミュージカルナンバー
オーケストラによるアメイジング・グレイス
出演：ソプラノ：垣岡敦子 カウンターテナー：米良美一
レポ：まつさん
３月６日は本田美奈子さんの４回目の月命日でした。この日は皆さんご存知のとおり、紀尾井ホールにて、堤俊作さん指揮・ロイヤルチェンバーオーケストラによる追悼コンサートが行われました。
会場となる紀尾井ホールは、東京駅からＪＲ中央線に乗り、３駅めの四谷駅から土手沿いに歩いて５分ほどの所にあります。ホテルニューオータニに面し、比較的閑静な所です。
開演５分前にホールに着くと、玄関では他のコンサートのチラシが配られ、その奥でチケットの回収を行っていました。その先のロビーでは、出演者のＣＤと、本田美奈子さんのＣＤやＤＶＤが売られていました。まあ、そこまでは、他のクラシックコンサートとあまり変わらないですが、今日は特に白血病撲滅プロジェクト「ＬＩＶＥ ＦＯＲ ＬＩＦＥ」へのチャリティーということで、グッズ販売と募金も行われていました。
いろいろ雑感をもちながらも、客席に向かいました。
私の指定座席は１１列１２番であり、指揮台のほぼ真後ろです。ポジションも１階席の本当にど真ん中で、もうこれは最高の場所といっていいでしょう。
さて、１９時０２分、オーケストラに続き指揮者の堤俊作さんが登場し、いよいよ待ちに待った演奏が始まりました。１曲目はモーツアルトの「魔笛」序曲です。
オーケストラは、チェンバーオーケストラ、つまり室内楽オーケストラです。たしかに人数は大編成のフルオーケストラに比べると、やや少ないかな？という印象ですが、演奏の方はなかなか重厚で、物足りなさは微塵もありません。堤俊作さんは派手なジェスチャーは決してとらず、とつとつと正確にリズムを刻むことを最優先している印象があります。
２曲目はカウンターテナーの米良美一さんが登場し、アメイジング・グレイスをノーマイクで原語で歌い、その後自らトークをしました。
「本日はご来場ありがとうございます。僕は本田美奈子さんに会うことは一度もできませんでした。本田美奈子さんが殺意のバカンスでデビューしたとき、何とパンチのある歌声なんだろうと思いました。その後、テンプテーションであるとか、１９８６年のマリリンであるとか（中略）私はアイドル好きですから、本田美奈子さんにはずいぶんお世話になりました（客席みな笑う）いや、ずいぶんいやされました。美奈子さんは生前、亡くなる前に、人としての愛、絆、そうしたものの大切さを考えたそうです。そんな美奈子さんと、会場のみなさんに 聴いていただきたいと思います」
トークに続いて 美輪明宏さんの「ヨイトマケの唄」を歌いました。
米良さんが退場し、代わってソプラノの垣岡敦子さんが登場、プッチーニの「ある晴れた日に」を歌いました。第１部のスケジュールはここまででしたが、アンコールに「わたしのお父さん」を歌いました。これが圧巻で、演奏後の拍手は逞しい「ＢＲＡＶＯ！」を伴ってこの日一番の盛り上がりでした。
このあと２０分間の休憩となりました。ロビーに出ると３人の著名人の姿を見ました。
高杉社長、コロムビアの岡野博行プロデューサー、作曲家の井上鑑さんです。
高杉社長は、背の低い４５歳くらいの男性と話していて、気さくに応じていました。もしかして、ＭＦＷのＢＢＳの方でしょうか？
ロビーでは美奈子さんの写真や自作の詩がパネル展示され、私は携帯カメラで撮影しまくりました。写真の表情全てから生気を感じ、本当に、亡くなった人とは思えない、今でもどこかで生きてるのではないか？とさえ思いました。 第２部がはじまる５分前に私は席に戻りました。私の左には男性が２人いらして、「今はオフィスが麹町だけど、いつ引っ越すかわからない。」とか「前の時はカメラ回してて、とてもゆっくり見ていられなかったけど、今日はコンサートだから録音も何もしてないし、じっくり聴けるよ」とか言っていました。この方は後になって、他の掲示板の書き込みによって、やーたりんさんであることがわかりました。（会場でも何となく、そのような気がしていました。）
第２部はチャイコフスキーの「くるみ割り人形」組曲の演奏でした。チャイコフスキーは、実は命日が美奈子さんと同じ１１月６日です。時代は違うけど同じ日に亡くなった大作曲家の音楽を、天国の美奈子さんに聴いてほしいという、願いの心を感じました。
満場の拍手で演奏が終わると、堤さんが指揮台に颯爽と戻り、アンコールを演奏し始めました。
始めは何の曲かわかりませんでしたが、自分の勘で、マイフェアレディーに間違いない！と確信しました。後で確認したら実際その通りでした。ラストのアンコールは、オーケストラによるアメイジング・グレイス。
マイフェアレディーは、その中の「踊り明かそう」が、入院直前にレコーディングし、４月発売の「心を込めて」に収録されます。アメイジング・グレイスは、もう日本国民周知のとおり、葬儀で流れてＣＤが大量に売れました。今日９日には見事、ゴールドディスクの栄冠に輝きました。
この２曲をアンコールに選ぶなんて、堤さん、やるなあ！
私はもともとクラシックが好きで、ブルックナーの交響曲をはじめ、数多くのクラシックコンサートに出かけています。ただ最近は演奏ミスが多く不満の残るコンサートがあったばかりなので、今日は期待して出かけました。
堤さんとロイヤルチェンバーオーケストラには、最後まで真面目さと気迫を感じました。 私が彼らの演奏に好感を持ったのはいうまでもありません。
美奈子さんはきっと、天国からお礼を述べたと思います。今頃堤さんと、楽員さんの夢の中に出てきてるのかなあ。。だとしたら本当にうらやましいです。
※米良さんのスピーチは、丸ごと暗記したわけで無いので、違う箇所があると思います。ご承知ください。